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漁場環境保全事業について公表します

漁場環境とブルーカーボンをめぐる動き

海岸清掃の画像

このページの目次

海の森ブルーカーボン

日本は、「2050年カーボンニュートラルこのリンクは別ウィンドウで開きます」を宣言し、脱炭素社会を目指しています。CO2は水に溶けやすい性質があり、海洋全体のCO2の量は大気中の50倍あるといわれています。そのため、ブルーカーボンこのリンクは別ウィンドウで開きます(海のCO2吸収源)に注目が集まり、ブルーカーボンを効率的に拡大する取り組みが進められています。

藻場(ブルーカーボン)の保全と再生

漁場環境をめぐる動きこのリンクは別ウィンドウで開きます」については、水産白書このリンクは別ウィンドウで開きますに広域的な課題として「藻場・干潟の保全と再生」が掲載されています。

愛南町の水産業は、黒潮の恩恵により、急潮及び底入り潮このリンクは別ウィンドウで開きますといった自然による大きな海水交換が働いており、宇和海を巨大な養殖漁場として成立させています。

この黒潮の恩恵を受ける宇和海沿岸でも、ブルーカーボンのひとつである藻場の減少は進んでいます。この課題に対して、愛南町では次のような「ガンガゼウニ除去による藻場造成試験事業」や「御荘湾内漁場改善事業」に取り組んでいます。

  1. 未来に繋ごう!真珠のふるさと愛南町

真珠母貝養殖に使用する筏(幹縄筏)には、アコヤガイの 養殖に支障となる海藻マメタワラが毎年繁茂します。漁業者は、これを 日常的に除去し、同海域の『藻捨て場』と呼ぶ区画に移しています。このような漁業者の日常的な管理が、実はCO2を効率的に海中へ移送するブルーカーボン創出源であると捉えたプロジェクトです。

令和2年度にJブルークレジット認証®制度が創設されて以来、全国初の貝類養殖筏での認証であり、四国でのブルーカーボン認証は初(第一号)となります。真珠母貝養殖事業者 の日常的な施業がブルーカーボンの生成に寄与していると評価された画期的な内容であり、政府が進めるカーボンオフセットの推進にも寄与する取組です。

令和5年12月22日(金曜日)のプレスリリース( J ブルークレジット®認証取得に関する事)についてお知らせします

未来に繋ごう!真珠のふるさと愛南町

  1. ガンガゼウニ除去による藻場(ブルーカーボン)造成試験事業
    愛南町では、磯焼け現象が見られる沿岸域で、定期的にウニを除去することによる藻場造成効果を調査しています。
    ウニの密度が高く、磯焼けが継続して見られる海域でウニの除去を進めた結果、わずか1年で藻場の形成が確認できたところもあります。
    このガンガゼウニ除去による藻場造成試験では、除去したガンガゼウニを蓄養により、過食部分の苦みやえぐみ、臭いをブロッコリーや愛南ゴールド(河内晩柑)を与えることで改善して、食用のウニッコリーとして出荷することに取り組んでいます。

ウニ除去による藻場の回復の画像
左はウニ除去前の写真、右は1年後の写真

  1. 御荘湾内漁場改善事業
    愛南町の御荘湾では、牡蠣養殖が盛んでアマモ類の群生も見られ、絶滅危惧種や準絶滅危惧種の生物も多く生息しています。しかし、一部で底質のヘドロ化や有害プランクトンの発生頻度の増加、発生時期の変化が見られ、牡蠣養殖業が危機的な状況になっています。そこで、牡蠣養殖の際に発生した牡蠣殻を敷設することで漁場環境の改善への試みに、愛南漁業協同組合や愛媛大学、牡蠣養殖業者、愛南町役場水産課が連携して取り組んでいます。

麻袋に詰められた牡蠣殻の画像
麻袋に詰められた牡蠣殻

  1. 藻類養殖推進事業

愛南町では、ひじきやひろめが自生している海域のため、ブルーカーボンとして機能するこれらの藻類養殖の推進に取り組んでいます。

ひろめ養殖の画像

漁業におけるプラスチック問題への対応

漁業におけるプラスチック問題への対応このリンクは別ウィンドウで開きます」については、水産庁のホームページに掲載されているとおり、次のような恩恵と課題があります。

プラスチックは、その機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等に寄与し、我々の生活に多大な利便性と恩恵をもたらした素材であり、漁業の分野においても、漁網やロープ、ブイ等の漁具に多くのプラスチック素材が使用され、漁業の近代化に大きく貢献してきました。

しかし、一方で、海洋プラスチックごみやいわゆる「マイクロプラスチック」と言われる微細なプラスチック類が生態系に与えうる影響等について、国際的な関心が高まっており、海洋プラスチックごみ問題は、世界全体で取り組まなければならない地球規模の課題となっております。

また、バーゼル法このリンクは別ウィンドウで開きます(正式名:特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)の省令改正により、令和3年1月1日からリサイクルに適さない汚れた廃プラスチックの輸出入が規制対象に追加されました。これにより使用済みプラスチックの国内での適正なリサイクルが、これまで以上に求められています。

このような状況から、漁業におけるプラスチック資源循環の問題について、愛南町では次のような取り組みをしています。

生産現場におけるプラスチック問題への対応

漁業現場においても、使用済みの漁具を海洋へ流出させないために、プラスチックを使用した漁具の適切な使用・処理を推進することが重要です。また、陸域由来のものも含め海洋に流出したごみについては、積極的に回収し処理する取組を進めています。

  1. 使用済み発泡スチロール製フロートの減容・リサイクル
    愛南町内の愛南漁業協同組合と久良漁協協同組合では、使用済み発泡スチロール製フロートの減容・リサイクル技術を導入しています。

発泡スチロール製フロートの減容機の画像

  1. 海浜清掃活動(漂着ごみ)
    愛南町では、漂着ごみの海浜清掃活動にも取り組んでいます。この清掃活動には、愛南町内の愛南漁業協同組合と久良漁協協同組合、漁業者、小中学校、愛南町役場が協力して海岸に漂着したプラスチックごみや流木等を回収しています。

海浜清掃活動の画像
海岸に漂着した流木等の回収作業

  1. 海上清掃活動(漂流ごみ)
    台風や暴風雨により、海に流れ出た漂流ごみの多くは流木ですが、プラスチックごみも流れ出ています。この清掃活動は、漁業者や愛南漁業協同組合、久良漁業協同組合、住民、愛南町役場が連携して回収作業を行っています。

漂流ごみと回収作業の画像
豪雨により海上へ大量に流れ出た流木等の回収作業

関連リンク

愛南町の自然・水・生活環境保全については、環境衛生課のページをご覧ください。

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このページの情報発信元
担当部署:水産課
愛南町城辺甲2420番地
電話番号:0895-72-7312

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